やあやあ、さむらいである。
コロナに寄って閉店を余儀なくされるお店がある中、大手企業はテイクアウトが出来る唐揚げ事業に舵を切って、出店攻勢のようで、これがコロナ禍における定石のようである。
らぁ麺屋も勢いのある法人は、ピンチはチャンスと出店攻勢に出る店もあるかも知れないが、厳しい状況なのが現状である。
確かに、良い物件が空く可能性も大いにあるので、そう言ったお店が押さえられるなら出店も大いに有りなのかも知れない。
事実、こんな状況でありながら新たに新規オープンされるお店も少なくないのだ。
そんなコロナ禍でも高級住宅地に新たに開店したお店がまた一つ。
と言う訳で、本日は
『さむらい流新店道』
をお届けしよう!
さむらい流新店道とは?
“さむらい流新店道”とは、その名の通り新たに店舗を開店させた店に行き、我輩の感想をここに綴らせて頂くものである。
中には旧店舗から新天地へ移転した店や、セカンドブランドの店も取り上げていくつもりである。
本日は2020年の10月に開店された
『世田谷中華そば 祖師谷七丁目食堂』
に訪問した時のお話である!
訪問日
時は神来月も初めの頃。
都内に安くて美味しいらぁ麺屋はあるが、その中でもつつじが丘の『柴崎亭』は有名なお店の一つである。
基本となる中華そばは620円と言う低価格で有りながら
『美しい麺線』
からなる完成品は芸術品と言っても過言ではない。
我輩のブログでは取り上げた事がないのでイメージが沸かないかも知れないが、こちらは以前伺った時の
『鴨中華そば』
なのだが、このクオリティで670円と言うのだから驚きである。
ちなみに、味玉はTwitterフォローでサービスされたものである。
限定麺となると、金額が張るものもあるが、基本となるらぁ麺はクオリティが高いながらも低価格なのが『柴崎亭』なのである。
そんな『柴崎亭』の店主がワンコインで提供する
『究極のらぁ麺』
を目指すと、オープンしたお店が有ると言うので、早速行く事にしたのであった。
世田谷中華そば 祖師谷七丁目食堂
そのお店と言うのが、小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅を最寄りとする
『祖師谷七丁目食堂』
なのだが、店名が長いので勝手に省略させて頂いた。
祖師ヶ谷大蔵駅を降りて徒歩2分程の所にあり、この日は木曜日の13:00着であったのだが、先客は外待ち10名と言う状況であった。
なぜ、こんなに混雑しているのかと言うと、営業日は水・木曜日の二日間だけで、更に昼営業のみと言った限定的なお店なのである。
恐らく、本店の営業の合間を縫って、店主が目指すべきワンコインスタイルのお店を出しているのではなかろうか?
店主ご本人に聞いた訳ではないので本意はわからんが、この営業形態で利益が取れるとは到底思えない。
一日に100杯売ったとしても一ヶ月の売り上げは40万円で、仮に飲食業の基本と言われる原価3割だとしても利益は28万円。
この中で家賃や光熱費、人件費を支払うとなると利益は残らないではないか。
限定麺で浮いた部分が店主のお小遣い程度の利益となる計算なので、完全に趣味か慈善事業の域である。
『柴崎亭』の店主が目指す、ワンコインスタイルでどの程度のクオリティが提供されるのか、気になったので早速行って来たのである。
とは言っても、レギュラーメニューの他にその週、その日毎の限定麺を用意していて、それは1000円で提供して、Twitterで告知している模様。
連食も認めているようなので限定麺と醤油を連食するつもりでいたが、我輩が席に着く頃には限定麺は売り切れであったので、メニューは醤油か塩の2択のみ。
およそ、30分待ちで着席、周りを見るとカウンター9席のみであった。
ご飯物と言ったサイドメニューもなければ、ビールもなく、大盛やトッピングもない。
店主に口頭で注文を伝えると、目の前にザルのような物を置かれた。
料金は前払いとなっていて、この目の前に置かれたザルに投じるようである。
我輩が頼んだのは醤油の世田谷中華そば(500円)であった。
恐らく、つつじが丘の『柴崎亭』の常連であられると思われる老夫婦がわざわざ遠くから来店されたようで、店主がありがとうと、喜んでいる姿を横目に見ながららぁ麺の到着を待つ。
『柴崎亭』と同じように大鍋で3~4名分の麺を一気に茹で上げるスタイル。
そして、茹でている最中にチャーシューを七輪で焙っているようであった。
平ザルで器用に一人前をすくい上げ、湯切りをすると丼に投下し、大きくて太い菜箸で麺線を整えている。
一連の流れるような所業で、いつの間にかこの
『綺麗な麺線』
が作られるのであるから驚きである。
まずは、このクオリティで500円と言う部分に驚いて欲しい。
はてさて、どの程度のらぁ麺なのか、気になる所であるが、まずは見た目はチャーシューに青菜とメンマと言った、シンプルなトッピングであるが、提供前に柚子皮も削り入れていた。
見た目は醤油が立って濃そうではあるが一口、口に入れると、醤油のキレを感じつつ、魚介系ながら乾物系の深みがにじみ出てくる優しい味わい。
優しいなどと言う、当たり障りない表現を使ってしまうと弱く聞こえてしまうが、本当に優しいのに出汁感は凄いの一言w
魚介系と言ってもガッツリ煮干ではないし、乾物系も椎茸がやや強く感じられる程度で、この重相感の中では我輩のバカ舌では表現するのはこれが限界であった。
しかも、週毎に使っている醤油を変えて、カエシを作っていると言い、その日その時に寄って味が違うと言うのだから驚きである。
整えられた麺線を崩すのは忍びないが
『麺上げ』
を行うと、細麺ながら啜ってみると、啜り心地はモッチリの方が強かった。
想像では低加水のパツパツ系かと思いきや、意外とモッチリしていて我輩好み。
これは、本店である『柴崎亭』では感じなかったものなので、麺は変えているものと思われる。
そして、一枚、一枚七輪で仕上げた
『チャーシュー』
は厚切りに切られていて、噛み切れなかったので無謀にも一口で頂く。
とろけるタイプではなく、噛み応えがあり、年齢的に少々、脂はもう少し少なくても良いかな?と思ったが、脂好きの若者には堪らないのではなかろうか?
本当にこれが500円なのかと唸りながら最後の一滴まで完食するのであった。
総括
『柴崎亭』の店主は値段は下げながらも器や見た目と言った一見、味とは関係ないと思われる所にも強く、拘っているように感じる。
よく催事場で提供されるらぁ麺はプラスティックの器に割りばしと言った簡素なものが多いが、やはり、店で食べる物と比べて、味が落ちるように感じてしまう。
実際は味は変わらないのかも知れないが、器やお箸に至るまで拘った方がより、美味しくなるのが料理ではないかと我輩は思っている。
我輩が訪れると電車賃で片道500円近く掛かってしまうので、中々行けないが、ご近所の方はこのクオリティを500円で堪能出来るので、とても羨ましい限り。
是非ともその恩恵を堪能して頂きたいと思う。
12月から営業日を増やし、日曜営業もすると言う話も上がっているので、Twitterも要チェックである。
本日はこれにて御免!
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