やあやあ、さむらいである。
先日の4月24日、ラーメン界のレジェンドと言える方が引退された。
そのお方と言うのが
『一条流がんこラーメン総本家』
の家元であられる
『一条安雪氏』
である。
『一条流がんこラーメン総本家』は食べログ百名店にも度々選出されているので、知っている方も多いと思う。
ただ、家元の事を知らない方もおられるかもだが、Youtubeなどで調べて見ると、過去にメディアに出ていた映像なども見る事が出来る。
『がんこ』の名の通り、徹底した拘りの逸杯を提供しており、“がんこ系”などと言うジャンルも有るほど。
数多くの弟子を輩出し、『がんこ』の分店として独立した方も居るし、神保町にある『覆麺 智』の及川氏のように『がんこ』ご出身でありながら独自路線で独立されている方も居る。
その『一条流がんこラーメン総本家』の家元である、一条安雪氏が近い内に引退すると、数ヶ月前から宣言されていた。
ただでさえ常に行列の出来るお店なので、いつ引退するなどと宣言してしまうと、その当日には人が殺到してしまうので、いつ引退するかは言及していなかった。
我輩はと言うとこれまで、お弟子さんのお店には行った事があったが、家元のお店には行こう行こうと思いながらも、行った事がなかったのである。
そう言った訳で、引退前に絶対食べておこうと伺う事にするのであった。
と言う訳で、本日は
『さむらい流百名店道』
をお届けしよう!
さむらい流百名店道とは?
“さむらい流百名店道”とは、『食べログ』で“百名店”として選出されたお店を訪問させて頂き、我輩の独断と偏見で感想をここに綴らせて頂くものである。
“百名店”は東京エリア・EASTエリア・WESTエリアの三つに分かれて表彰されている。
本日は2017年に“百名店”に選出されると、2018年、2021年にも選ばれている
『一条流がんこラーメン総本家』
に訪問した時のお話である!
訪問日
時は卯月も初めの頃。
前述の通り、『一条流がんこラーメン総本家』に行こうと決めてからも中々行けなかった。
その一番の理由が、不定期過ぎる営業形態であった。
営業するか否かは前日に家元のブログをチェックし、更に当日の朝にチェックしてから伺わないといけないのである。
前日チェックして、次の日行ってみると、スープが悪いから臨時休業なんて事もザラであった。
また、提供しているらぁ麺は日替わりと言って良い程、主となる食材が変わっており、週末にはスペシャルな食材を使ったらぁ麺を提供するのがお約束となっていた。
営業時間は基本的に9:00~13:00となっていて、売り切れ次第終了と言った感じ。
この頃は12:00位の段階で20人位の列になるように閉めると言っていた。
朝からやっているとは言え、営業時間も限られており、営業日も定まらないとあっては中々行けないと言うのは致し方ない。
だからこそ、いつ引退しましたと言われないか、ビクビクしながら、毎日家元のブログをチェックしていた。
体調が優れないと言う事で、当日お休みになる事も多くなり、本当に引退までのカウントダウンが始まっているのだと、リアルタイムで感じる事が出来た。
引退する前にどうしても食べておきたいと思ったのは、前々から伝説的な事を聞いていた事もあるが、先日読ませて頂いた『教養としてのラーメン』と言う、らぁ麺ブログを書いている我輩にとって、非常に役に立つ本の中にあった一節に、スマホを片手に持って食べていた若者に対し、携帯禁止と一殺するのは簡単なのにそうはせず、『お兄さん、あなたが将来お父さんになった時に、そうやって食べてはいけないよと教える立場になるんだから』と、家元が優しく諭したと言う話があった。
家元とお会いした事がないのに、その話を読んだ我輩は一気に家元のファンとなり、家元が作るらぁ麺が食べたいと思ったのである。
何度も行こうとしては振られていた最中、やっとこ4月の頭にタイミングが合った日が。
しかも、この日は純正の日と言う事で、『一条流がんこラーメン総本家』の基本のらぁ麺が食べられるとあって、伺う事にしたのであった。
一条流がんこラーメン総本家
やっと行ける日が合致したのであるが、一つ懸念があった。
それは、営業はするけど家元は不在と言うアナウンスがあったのである。
この頃、店長として任されていた後藤氏の下に小池氏と言う方が弟子入りしていた。
家元は引退が決まっていたので弟子は取らなかったが、後藤氏の預かりと言う事と家元は一切、教えないと言う条件の元で入門が許された方であった。
そのお二人だけで営業する事が初めての日ではなかろうか?
我輩の考えは、家元の引退前に食べたいが、家元不在なら意味がないとはせず、家元との決戦に備え、むしろ純正の味を知っておこうと伺ったのであった。
お店は四谷三丁目駅を最寄りとし、何度も移転を繰り返して今の場所では2011年から続いている模様。
我輩は乗り換えの観点から四ツ谷駅から歩いて行く事に。
四谷三丁目駅からは徒歩3分程であるが、曙橋駅から5分、四ツ谷駅から10分程となっている。
四ツ谷駅からは新宿通りを新宿方面へしばらく進み、三ツ矢住宅の路地を右に入り、進んだ先左手にあるメゾンド四ツ谷の1階にお店はある。
スナックや飲食店が多く入る商業ビルと言った感じであるが、行列が出来ていると思うので、すぐにわかるであろう。
10:30に到着すると、家元不在が影響したのか、時間帯が早かったせいかわからぬが、13人待ちと意外と少ない並び。
こちらのお店の並び方は少し変則的なのであるが、公式ツイッターに並び方が記されているのでお分かりになるとおもう。
不安な方は、最後尾と思われる場所に立ち、最後尾と思わしき方に最後尾はこちらですか?とお尋ねしよう。
色々とハウスルールがあるようなので、この程度の声掛けで物怖じしていては、『一条流がんこラーメン総本家』で食べる事は叶わないだろう。
並べられた小カラーコーンの位置に立ち、前が進むと位置を詰めていく。
ビルの通路にはブルーシートが敷かれており、並んでいる常連と思われる猛者達は、ブルーシートが乱れると必ず直していた。
きっと、このブルーシートが敷かれる事になったのには理由が有り、この乱れを直す行為が同じ場所で営業を続けて頂く為に我々が出来る配慮なのだろう。
比較的回転率は良く、我輩が着席出来たのは並び始めて30分程が経過していた。
入店に至るまでの流れであるが、先頭に来たら耳に付けているイヤホンを外し、万全の態勢を整える。
客が1人出たら一拍置いて入店し、注文は声掛けされてから行う。
もし、2人以上で並んでいて隣同士が良い場合は、入店前に『2人です』とお声掛けしよう。
席に腰を掛け、壁に掛かったメニューを見ると、ラーメン200g1100円、300g100円、400g300円と書いてあるのみ。
『今日は何になさいますか?』と後藤氏から聞かれたら注文を入れるのが基本。
書かれていないが、ラーメンには種類が有るので、恥ずかしがらずに初めてであることをお伝えしてみよう。
そうすると、目の前に2種類のスープの匂いを嗅がせてくれるので、ご自身の好みで選択しよう。
一つは透明度の高い、魚介香る清湯系のスープで、もう一つは白濁したスープとなり、匂いも少し強めなスープであった。
清湯系が大好きな我輩であるが、直感で白濁したスープを選択するのであった。
注文を入れてしばらくすると、小池氏が会計を進めてくれる。
ラーメンは上品と呼ばれる清湯系の塩、醤油のものと、白濁したスープをベースに雪とカエシ不使用の100と言うメニューがある。
最初に
『こちらは雪と言うラーメンです』
と言われ、配膳される。
少し濁ったスープには控え目に背脂が浮き、見るからに溢れんばかりのバラ肉にチャーシュー1枚、メンマ、海苔にデフォルトでも味玉が入る。
スープを一口頂くと
『で、あるか!』
が発動した!
久々の感覚であるが、雷撃が身体を走り抜けたような感覚。
要は雷に打たれたような衝撃を受けたのである。
これまで食べてきた美味しいラーメンとも異なり、どうやってこの深い味を出しているのか、想像がつかない。
わかるのはカエシの塩っぱさから来るものとはまた違った濃さであり、それが食材から抽出されたもので、無化調であると言う事。
続いて
『麺上げ』
を行うと、黄色掛かった中細麺が顔を出す。
こちらはサッポロ麺フーズ製の麺を使用している。
もちろん、茹で上がりは硬めとなっていて、これまた“がんこ系”の一つの売りとなっている。
こちらの画像は崩れてしまい失敗したが
『チャーシュー』
もホロホロで美味しいw
『一条流がんこラーメン総本家』では悪魔ラーメンなるものがあるそうで、通常の倍以上の素材を使い、
通常の半分以下の水で炊くスープだそうで、めちゃくちゃ濃い出汁だと言うのが想像出来るだろう。
そのトッピングにこれまた濃い味付けの豚バラ肉をトッピングするようになり、それがこちらの
『悪魔肉』
である。
悪魔ラーメンが今でも提供されているのかわからぬが、お弟子さんのお店の一つである『覆麺 智』では、毎週水曜日に会員限定で悪魔ラーメンと、この悪魔肉を提供されている。
我輩の感想であるが、こちらの悪魔肉は『覆麺 智』のと比べると食べ易く、『覆麺 智』の悪魔肉の方が塩っぱいと感じた。
一通り、手早く画像に収めると、無我夢中で食べ進め、気が付けば丼から直接スープを平らげるのであった。
総括
いやはや、無茶苦茶美味かったw
これまた、何で美味いのか想像出来ないのが良いw
こんな味のラーメンを作る猛者がいると思うとまだまだ、奥が深い世界であると知る事が出来るのである。
残念ながら、我輩は最後まで家元とお会いする事が出来なかった。
それでも、引退が近いと言う事で、4月22日の金曜日に再挑戦したのであるが、この時も不在であった。
その2日後にこの日、引退である事を知ったのであった。
日曜日の引退の日、我輩がフォローさせて頂いている方が1:45に並んだ時で、5番目~9番目であったそうな。
やはり、毎日通っているような常連さんは、引退の日を察していたのだろう。
今後、こちらの『一条流がんこラーメン総本家』は店長であられる後藤氏に譲り、『一条流がんこ総本家分家荒木町』として営業を続けていくそうな。
直接、家元にお会いできなかったのは残念であったが、家元の残したラーメンには出会う事が出来たので、大変嬉しく思っている。
一条流がんこラーメン創始者である一条安雪殿、長きに渡り美味しいラーメンをご提供下さり、ありがとうございました、そしてお疲れ様でした。
家元が引退しようとも、『一条流がんこラーメン』は不滅である。
本日はこれにて御免!
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